ホワイト国と信頼関係について、簡単に分かりやすくまとめてみました!

世界のあちらこちらで個性的な人が指導者として選ばれ国の舵取りをしています。

これが国際平和、自由と民主主義の発展に繋がっていくのであれば、これほど素晴らしい事はありません。

しかしながらこのアジアにおいては国同士の悲しい行き違いが発生しました。

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日本政府は韓国に対して信頼関係が損なわれたとして、特定輸出品の審査を厳格にして、ホワイト国から除外する措置をとろうということになりました。

本稿ではホワイト国とは何か、さらに国家間の信頼関係について、簡単に分かりやすくまとめてみました。

はじめにホワイト国についお話します。

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ホワイト国とは?

ホワイト国とは一言でいいますと信頼に値する国のことです。

物品の輸出に関しては、それが大量破壊兵器など軍事上の目的に転用されて、国際社会の安全を脅かすことのないように主要先進国が中心となり国際的な管理体制が構築されており、国際社会は協調して輸出の管理をしています。

こうした安全保障上での貿易管理は日本では外国為替及び外国貿易法により実施されています。

各国はそれぞれ輸出相手国のランク付けをしており、輸出に際して、普通は非ホワイト国としての正統的な手続きが要求されますが、とくに一定の要件を満たしている国への輸出についてはホワイト国と認定して輸出手続きを簡素化する仕組みがあります。

その要件とは要するに、「この国は輸入された物品が大量破壊兵器などの拡散が行われるおそれがないようなきちんとした管理をしている国である」という強い信頼を得られていることです。

日本では2019年6月時点で韓国を含む28ヶ国を「ホワイト国」扱いで輸出規制をしています。国内の輸出企業にとって輸出手続きは簡素であるに越したことはありません。

しかし日本政府はこの7月1日に韓国との信頼関係が著しく損なわれたとし、韓国への処遇を変更することを発表しました。

信頼関係はどうして損なわれた?

日本政府関係者によると、韓国側の輸出管理に不備があり、不適切事案が複数発生したため安全保障上の運用見直しとして、軍事転用可能な物質「フッ化ポリイミド」「レジスト」「フッ化水素」の3点の輸出規制を強化するということでした。

これまでも韓国側の輸出管理には不十分な点があり、不適切事案が発生していたが、日本側からの意見交換の申し入れにもかかわらず、2016年以来一度も会合が開かれていないことも日韓の信頼関係に影響したようです。

韓国の現政権の特徴は、国家としての責任あるきちんとした回答が先送りになることにあります。日本政府は公表こそしていないものの、韓国の不適切事案について安全保障上重大な問題となる事実と証拠を握っているものとみられます。

更に日本政府は、8月からは韓国をホワイト国から除外する意向を示しており、このことについてパブリックコメント(公の意見)を受け付けています。

韓国の取るべき対応は?

韓国としては、もしも日本を明瞭な意図のもとに陥れようとするつもりがないのであれば、これまでのような曖昧な姿勢は撤回し、胸襟を開いて直接日本政府と話し合おうとする姿勢が大切ではないかと思われます。

米国に使者を派遣して仲裁を依頼するなどは、何か思い違いをしているのではないかとさえ思われます。

信頼はたとえ一時的に失ったとしても、誠意を積み重ねていくことで再構築は可能と考えます。

日本のホワイト国除外により韓国の経済低迷が懸念されます。これは何としても避けなければなりません。

現政権のやるべきことは捨て身で信頼関係を修復することでしょう。

日本の取るべき対応は?

日本として大事なことは、国家間の信頼関係が損なわれたとしても、その国の政権と国民を分けて考える必要があります。

政権による「右向け」の暗黙の号令に対して、国民は政権に対する忖度も加わることから右を向かないわけにはいかないのです。特に独裁政権の場合ですと右を向かざる国民はたちまち糾弾されることになります。

度重なる他国への暴挙を自国の恥と思い、こうした自国の政権に対して強い怒りを感じている韓国国民も多数います。

特に日本のマスメディアの果たす役割は重要です。政権と国民を同一視せず、こうした心ある人達に対する配慮と思いやりの心を失うことのない報道姿勢が要求されます。感情に流されない冷静なスタンスが問題解決に寄与します。

信頼関係とは?

対等な当事者間の利害の調整、負担の公平をはかるといった見地から、国際法上の国家間の交流は民法上の人間関係に類似しています。

結局国家間の信頼関係とは、個人同士の交流と同じことで、約束をたがえず、欺かず、誠実に付き合うことではないかと考えます。

ここで大切なポイントはこのような国際的な約束、或いは取り決め、すなわち国際法がすべての国内的な司法判断に優先することです。これが担保されなければ国際社会でのお付き合いはできないことになります。

個人間の付き合いで、互いに誤解により信頼を失うことがあっても、その誤解が解ければ信頼関係は元通り回復されます。

しかし一方が明瞭に意図して相手を陥れようとしているパターンでは、相互に信頼関係の回復は困難です。今回の日韓の問題がこのパターンでないことを願わずにはいられません。

おわりに

ホワイト国からの除外ということで誤解されやすいのですが、もともと普通のランクが非ホワイト国であり、ホワイト国は別格扱いのランクです。台湾も中国も非ホワイト国です。

今回の日本の措置は別格ランクから普通の非ホワイト国のランクに移行するということであり、制裁とは異なります。非ホワイト国の仕様で普通に輸出手続きは可能です。

但し特定輸出品、「フッ化ポリイミド」「レジスト」「フッ化水素」の3点に関しては面倒なことになります。

審査には通常90日の期間がかかり、最終的には日本政府の恣意的な判断により許可が下ります。90日間待たされた挙げ句不許可になることもあり得るわけです。

軍事目的に転用されて国際社会の安全をおびやかし、驚異となる可能性のある物品であれば仕方がないのかも知れません。

それにしても普段から輸出管理に関する決まりごとが誠実に守られていたらと思わずにはいられません。